ウルトラマラソン完走に向けて月間走行距離の目安と能力

ウルトラマラソンの定義は『フルマラソン(42.195km)』以上の距離は全てウルトラマラソンとされており、50kmの大会も、70kmの距離設定も、全てウルトラマラソンです。今回は、一般的にウルトラマラソンと聞いて連想する『100km』を想定した内容で記載していきます。

初心者がウルトラマラソンを完走する時の月間走行距離の目安

ズバリ200kmです。
よくフルマラソンのサブ4を目指す方に取り入れられる目標値です。
また、中高年の方がランニング障害を予防するための数値でもあります。
(参考:骨・関節のランニング障害に対しての提言(日本臨床スポーツ医学会))

しかしながら、月間走行距離はあくまで目安にしかなりません。なぜなら、走る方の年齢や体重・運動歴・走るコースや気温・天候など、一概には言えないからです。

また、24時間テレビのように、24時間以内にゴールできれば良いという内容を目指すのであれば、月間200kmも走らなくて良いでしょう。
なぜなら1km12分ペースで歩いても20時間で完走できてしまうからです。

なぜ200kmが目安となるのか

ウルトラマラソンの制限時間は一般的に13時間~16時間とされており、14時間くらいの大会が多いです。仮に14時間でウルトラマラソンを完走しようとした場合、統計データでフルマラソンのタイムは4時間15分程度で走れることが求められます。

ランニング風景 

あくまで目安となりますが、サブ3(フルマラソン3時間以内)できるレベルの運動能力がありながらウルトラマラソンで14時間を切れないという人は、聞いたことがありません。つまり、サブ3を達成できる運動能力がある人にとっては、ウルトラマラソン14時間以内というのは余裕であるからです。

14時間以内に走ることが求められるウルトラマラソン初心者の方は、まずはフルマラソンで4時間15分前後、ペースとしては1kmを6分(10kmを1時間)で走り続けられる能力があると、完走が近づきます。

フルマラソンで5時間以上かかってしまう場合は、完走する確率が低くなってしまいます。
月間200kmはサブ4を達成するためのトレーニングの1つの目安と冒頭でお伝えしましたが、1kmを6分で走り続けられる能力は、ウルトラマラソンを完走する上でも重要な指標となります。なので、目標のウルトラマラソン大会の前のトレーニング期間は、月間200kmを目標の走行距離として走ると完走が近づいてきます。

ウルトラマラソン完走に必要な能力

大きく分けて3つありますので、ご案内していきたいと思います。

1、走力

マラソンや心肺機能の能力は、数値化することができます。

ウルトラマラソンの指標は具体的に出されていることはありませんが、『フルマラソン』やその他のデータから数値化することができるので、興味がある方は以下の項目について調べてみてください。

VDOT表

VO2max

VDOT表においても、VO2maxにおいても、ちょっと難しい言葉になってしまうので、初心者の方にわかりやすくイメージをお伝えすると、ランニングにおける能力を数値化したものと理解していただければOKです。例えば10kmをこのくらいの時間で走ることができれば、フルマラソンは理論上このくらいで走れますよという内容です。これらの数値を上げていくことが、結果的に走力をわかりやすく上げていくことになります。

わざわざ調べるのもなぁという方は、ざっくりこちらの数値を参考にしてみてください。
上述したように、フルマラソンが概ね4時間15分で走ることができると、ウルトラマラソンの完走の確率が高いということから、VDOT表に照らし合わせてみると、VDOT表の数値『35』の列を確認するとフルマラソンは4時間16分03秒です。ハーフマラソンが2時間04分13秒、10kmが56分03秒、5kmが27分00秒、1500m走が7分25秒となります。

あくまで理論値なので、10kmを56分で走れたからといってウルトラマラソンを14時間で走ることができるとは言い切れませんが、フルマラソンが4時間16分であれば十分に完走に近づきます。10kmは参考にならないのにフルマラソンが多少参考になるのはなぜかというと、この後に出てくるエネルギー源の問題が出てくるからです。この後読んでみてください。

さて、VDOT表で自分の数値がどれに当たるかを確認し、フルマラソンが4時間16分で走ることができない、またはVDOT表を元に明らかに走ることができる可能性が低いという場合は、必要な走力を上げていくしかありません。
その際のトレーニング方法としては、インターバルトレーニングやレペティショントレーニング、ペース走などさまざまありますが、長くなってしまいますので改めてご案内します。

2、ウルトラマラソンを完走するためのエネルギー源

例えば『カロリー』で話した場合。ウルトラマラソンを完走するために必要なエネルギーを計算してみましょう。

オリーブオイル カロリーイメージ

消費カロリー(kcal)=運動時間(h)×体重(kg)×運動強度(METs)×1.05

ウルトラマラソン完走ペースの時速7.2kmで、体重65kgの人が14時間走ると6700kcal近くになります。

※METs表リンク

これを食事だけで賄おうとすると、一般的に体に蓄えられる糖質によるエネルギー(2000kcal)を除くと、4700kcal近くのエネルギーを走行しながら摂取しなければなりません。もちろん、体に備わった脂肪を働かせることで、そんなにエネルギー補給をする必要はありません。

ここで、体に備わった脂肪を効率よくエネルギーに変えられる能力の差が出てきます。

脂肪をエネルギーに変える能力(脂質代謝)向上の考え方と行動

ウルトラマラソンを走る上で、エネルギー源を脂肪から作り出すことができるようになる大きなメリットとして、エネルギーを補給する回数・量が減ることが挙げられます。

補給の回数を減らすことができれば、エネルギーを補給する際に『消化』にエネルギーを使ってしまうことを避け、運動中の慣れない補給に胃腸が対応できず吐き気をもよおしたりなど、胃腸トラブルに見舞われる確率を下げることに繋がります。脂肪をエネルギーに変えられるようにするためには、食習慣とトレーニング時の状態にポイントがあります。

簡単にポイントだけ記載していきます。

1、間食をやめる

→不要な糖・脂質の摂取をしないことで、体に備わっているエネルギーを優先させる

2、夜ごはんを食べてから、次の食事を摂取するまでの間を15時間空ける。または急激な血糖値の上昇を起こさない程度の食事に止める

→例)夜9時に夜ごはんを食べたあと、お昼12時までの間の食事を避ける

 朝ごはんを摂取する場合は、血糖値が急激に上がらないように心がける

3、空腹の時にゼェハァしないジョギングを取り入れる

→糖質優位のエネルギー代謝から、脂質優位のエネルギー代謝に切り替えるスイッチを入れていく

 スピードはゆっくりでOK

これらについては、長くなるので改めて記載後、リンクを貼り付けます。

3、ウルトラマラソンのレースマネジメント

完走を目指す上での走力も十分、エネルギー補給についても概ねやれることはやった。
あとはウルトラマラソン当日にどのような状態でいられるか、体のコンディションはもちろん、天気や気温など、外的要因にも対応しなければなりません。これらを怠ると、レース中のトラブルに対応できるメンタルをやられてしまうので、特に気をつけてください。

マラソン風景

レースマネジメントは、準備で解決できることが多いので、一通り見ていきましょう。

①体のコンディション

ウルトラマラソンは100kmという、とてつもなく長い距離を走ります。

そのために『体が疲れていない状態』であることは、何よりも大切です。睡眠不足や疲労困憊ということがないように、少なくともレース1週間前からはトレーニングの量を落とし疲労を抜きましょう。また、トレーニング以外にもできるだけストレスを溜めないように、仕事の繁忙期にレースを入れないなど、できるだけ『コンディションの良い状態』でいられるようにコントロールすることが重要です。

そんなの当たり前と思われるかもしれませんが、この現代社会でストレスを減らしてコンディションの良い状態でいられるようにすることは、人によってはそれほど簡単なことではないかもしれません。

②天気や気温をチェック

少なくとも天気予報は3日前くらいからはチェックし、当日のウエアリング(服装)について考えていきましょう。もちろんある程度の服装の選択肢があることが前提になりますので、選択肢がない人の場合は複数の選択肢を持つべく、もっと前から準備することをおすすめします。

雨の日

天気や気温はとても重要で、ウエアリングを間違えてしまうと必要以上の汗をかいてしまって脱水になったり、上着を持たずに走り始めた後に雨が降って低体温になってしまったりと、レース当日の天候に対する準備不足によって完走できないことは多々あります。

暑ければ脱げば良いのですが、寒くなってしまっては太刀打ちできません。

チャレンジ富士五湖やサロマなど、雨(時には雪)によって低体温でリタイヤ者が続出するということはよく耳にします。初心者だからこそ、この天候という外的要因には可能な限り準備をする必要があります。

ウルトラマラソンのウエアリングは可能な限り調節がしやすいよう、半袖(ノースリーブ)にアームカバーなどにしておくと、雨が降って気温が下がった時にサッと保温することができて便利です。また、雨の予報が出ている時などは、後半足が止まってしまった時に備えてレインウェアを携帯する必要がある場合もあります。

レインウエアや手袋・スマホなどを快適に持ち運べるNAKED ランニングバンド

nakedランニングバンド着用画像

ブランドサイトはこちら

可能な限りレインウェアなどの装備については、ストレスなく持ち運べることが重要です。もし運んでいる時のベルトやザックが非常に揺れて快適でないとしたら、そのストレスと100km付き合わなければなりません。そうならないためにも、できる限り快適な持ち運びを可能にしてくれるNAKEDランニングバンドはおすすめです。

このNAKEDランニングバンドは、ゼッケンをつけるとゼッケンベルトとしても機能するため、お気に入りのTシャツに安全ピンの穴を開ける必要がありません。

また、『日焼け』に対する対策も重要です。

日焼けは侮ってはいけません。

海に行った帰りのお父さんがやけに疲れている光景を想像できますか?

日焼けで焼けた肌に対する修復をするために、皮膚に多くの血流を取られてしまいます。本来であれば披露する内臓や筋に対する血流を日焼けした肌に取られてしまうのは、防げるパフォーマンスの低下を防ぎきれていないことになります。ウルトラマラソン当日は、できるだけの日焼け対策をおすすめします。

帽子やサングラス、日焼け止めなど必要に応じて行うようにしてください。

③ウルトラマラソンのコースや補給できる箇所をチェック

事前にコースをチェックすることはとても重要です。行ったことがないから見ても仕方がないと言わずに、まずは地図を眺めてみましょう。

上り坂や下り坂がどの程度あるのか、どのくらい続くのか、ペース配分の目安になります。

走力によっては無理せずキツい上りは歩くという選択肢をとってもいいと思います。また、水分補給ができるエイド、食べ物があるエイドがどのくらいあるのかをチェックするのも重要です。

メジャーな大会では水分補給が3~4kmに1箇所など、頻繁に設置してありますので、水分の持ち運びをしなくていい場合もあります。こじんまりした大会や、メジャーな大会の中でも立ち止まってしまうと走り出しがキツい人も多いでしょう。そんな時は、ソフトフラスクという柔らかいボトルを1本持っているととても重宝します。

なぜペットボトルではないかというと、ペットボトルは中身が非常に揺れます。バシャバシャ音を立てたり、意外と硬いので持ち運びの際に肌に接触している部分を痛めることがあります。

ソフトフラスクは、中身の量によってしなやかに形を変える優れもので、夏場など暑い時期には凍らせて持ち運ぶことも可能です。

nakedランニングソフトフラスク

NAKEDランニングバンドは、このNAKEDソフトフラスクが3本も収納できる大容量のベルトです。もちろんソフトフラスク意外にもレインウェアやスマートフォンなどを持ち運ぶことが可能です。

NAKEDランニングバンドは、ランニング用のウエストベルトの中でも、最も軽量で通気性が高く揺れにくいシンプルで革新的なデザインになっています。

まとめ

今回は初心者がウルトラマラソンの完走を目指す上での月間走行距離の目安と、完走に必要な3つの能力について書いてみました。

月間走行距離は200kmを目安に3ヶ月以上トレーニングすると、完走に近づいてきます。
また、ウルトラマラソン完走には『走力』『エネルギー』『レースマネジメント』の3つを攻略する必要があります。

走力は月間走行距離の200kmを目標に走るとある程度ついていくでしょう。エネルギー代謝についても、まずは間食を減らすところから始めて、徐々に空腹の時間を広げられるとGOODです。

ある意味お金で解決できてしまうレースマネジメントは、最悪直前でもなんとかなります。天候・ウエアリング・日焼け対策・体の疲労抜き・レースコースのチェックと水分補給など、可能な限り準備して、初めてのウルトラマラソン完走を手繰り寄せましょう。


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